香りが生活リズムを作る? 病気は治療する時代から予防する時代へ

香るブレスレットの香りコラム

体は疲れているけれど頭が冴えてしまって睡眠が取れていない、お腹が空いているような気がするけれどごはんが喉を通らない、といった不調を常に抱えてはいませんか?
今はまだ大丈夫と放置していると、大きな病気につながってしまうことがあります。
体を壊す前に不調のサインに気が付くことが大事です。
香りの効果を上手に使って、病気を予防する方法をご紹介します。

病気のサインは嗅覚から? においでわかる体の異変

人の感覚を司り、外部からの情報を捉える5つの機能、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚があります。どの機能もなくてはならないものですが、五感の中で優先順位が低いといわれている嗅覚。
それでもにおいを感じる機能がなくなってしまうと、食欲減退などの症状につながります。
鼻をつまんで物を食べてみるとわかるように、嗅覚がないと美味しさを感じにくくなります。
嗅覚は、視覚や聴覚など他の感覚機能に比べて、嗅細胞には再生能力があるので老化などによる機能低下の影響は緩やかではありますが、全くにおいを感じなくなってしまうと生活にハリがなくなってしまうのは確かです。
つまり、嗅覚は「生きる活力」であるといっても過言ではありません。

嗅覚に何らかの異変があった場合の原因は主に3つあります。
一つは呼吸性のもので、鼻に変化があった場合。
二つ目は末梢性のもので、鼻から脳へ投射する嗅神経の変化があった場合。
三つ目は中枢性のもので、匂いを受け取る脳そのものの機能に変化があった場合です。
脳に異常があると、においを判別しにくくなるという特徴から、昨今増えているアルツハイマー病やパーキンソン病など、特に高齢者に多い疾患の早期発見に、嗅覚検査が役立つという結果も出ています。

香りが脳を刺激する? 香りの効果とは

「朝、淹れたてのコーヒーの香りを嗅ぐとシャキッと目が覚める」「ハイキングに出かけて、森の自然な香りを嗅いで気持ちがリフレッシュする」といった香りにまつわるシチュエーションがいろいろあるように、その効果を活用した治療法がアロマセラピーです。
植物から抽出した自然由来の精油を用いたアロマセラピーは、フランスの化学者ルネ・モーリス・ガットフォセにより、確立し体系化された治療法。
ヨーロッパの一部の国では、精油を医薬品として認定し、医療現場で用いられています。
日本でもアロマセラピーは一般化されており、精油やディフューザーなどの道具も手に入れやすくなっています。
香りの効果がさまざまありますが、その中でもにおいの電気信号が脳を刺激して発生する作用によって症状を緩和したり、調整したりする効果をご紹介します。

  1. 自律神経系の調整
    精油の芳香成分が嗅細胞の神経インパルスを発生させ嗅神経から視床下部に伝達。脳幹を経て自律神経系に作用することによって、交感神経と副交感神経のバランスが整います。
    不眠症の原因の一つとして、夜に副交感神経が優位にならないため入眠できないことが挙げられますが、精油の香りによって自律神経を調整することができます。
  2. ホルモンの調整
    精油にはホルモン分泌を調整する作用があり、月経前症候群や更年期障害の治療に応用されています。
  3. 免疫系の調整
    精油の芳香成分によって視床下部を活性化し、免疫系の働きを向上させる効果が期待できます。
  4.  認知機能の向上
    精油の香りを嗅ぐことで、認知機能が向上する効果が期待できます。
  5. 感情、情動行動の調整
    精油の芳香成分によって発生した神経インパルスは大脳辺縁系の神経細胞に働きかけ、不安感やうつ状態などの改善効果が認められています。

アロマテラピーでセルフメディケーション

香りの効能を十分に活かしたアロマテラピーを生活に取り入れることで、日々感じている不快な症状を軽減することができます。
その症状は、日常的に感じることが当たり前になってしまっているかもしれません。
そういった自分でも気づかない症状でも、早めに対処することが大切です。
日頃感じる体や心の不快感や違和感に気が付く、対処する方法としてアロマテラピーがあります。
アロマテラピーのよいところは、病院にかからなくても手軽に自分自身でできるところです。
そのような自己治療のことをセルフメディケーションと呼びます。
「何の香りがどのように働くのか」「どの香りが自分に合うのか」ということを知識として知っておくと、より有効に精油を使うことができますし、使い方も広がります。

症状別香りの効能

  • アレルギー性鼻炎
    ユーカリ、ティートリー、ペパーミント
    抗炎症や鎮静作用がある
    精油の香りを室内にディフューザーなどで拡散させる
    くしゃみや鼻づまりが気になるときに、ハンカチなどに精油を垂らして嗅ぐ
  • 自律神経失調症
    スイートオレンジ、レモン、真正ラベンダー
    鎮静、抗ストレス、リラックス作用
    動悸、血圧の変動、息切れ、疲労感、冷えやのぼせ、イライラや不安感、不眠などに効果あり
  • 不眠症
    コリアンダー、イランイラン、真正ラベンダー、クラリセージ
    鎮静、リラックス作用
    容易に入眠できるようにすると、質の高い睡眠が得られる
  • 抑うつ
    柑橘系、ゼラニウム、クラリセージ、ローズ
    抗ストレス、リラックス作用
    交感神経を優位にし、気持ちが上向きに明るくなる効果がある

香りで生活リズムをつくる。時間帯別おすすめの香り

日々の諸症状においてアロマテラピーが有効であることをお伝えしましたが、一日のタイミングで香りを取り入れて生活のリズムを整えるという方法をご紹介します。
起きる時やリラックスする時、作業に集中する時、眠る時など香りもルーティンで活用すると、頭の切り替えができるので便利です。
ディフューザーやアロマポットなど精油を拡散させる道具があるとベストですが、手元にない場合はティッシュに1〜2滴垂らしてそばに置いておくだけでOK。
こうしておくと、仕事の時や外出先でも周りの人が香りに気づくか気づかないかくらいの強さなので、周囲を気にせずに精油を使うことができます。
また、精油のボトルは小さなものなので持ち運びに便利なのもポイントです。

時間帯別おすすめの香り

  • 朝:すっきり目覚める
    グレープフルーツ、レモン、スイートオレンジ
  • 昼:作業に集中する
    ティートリー、ペパーミント、ジュニパーベリー
  • 晩:眠りにつく
    ラベンダー、マージョラムスイート、フランキンセンス

【まとめ】香りを上手に活用して、心身を健康に保とう

気持ちが塞いでしまう、寝付けないといった不調は見過ごしてしまいがちですが、積み重なっていくと病気につながる原因にもなる場合があります。
今回ご紹介したように、香りを上手に活用すると、生活のリズムや心身の不調をコントロールすることができます。
是非ご紹介した内容を参考にして、心身を健康につながる香りの活用方法で元気な毎日を過ごしましょう。

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